ダニエル・シルヴァの小説『ブラック・ウィドウ』de いながら旅(3)

11 ブラック・ウィドウ
11 ブラック・ウィドウ● ダニエル・シルヴァ

 第3部からいながら旅を続けます。サラディンから重大な秘密を聞き出すことはできず、自分に与えられる計画もわからないままフランスに戻されたナタリー、与えられたミッションを達成することはできるのでしょうか。


第3部 世紀の終末

44 シャルル・ド・ゴール空港、パリ

 ナタリーがアテネから搭乗したのはエールフランスのAF1533便でした。約3時間半のフライトでパリに17時過ぎに到着します。写真の機材はエアバスA320です。

(FlyTeam)

 ミハイルと「モーズビー」というボードを持ったブシャールは、ブルゴーニュ色のヒジャブを付けたナタリーがターミナル2Fの到着ロビーに出てくるのを確認します。

(こちらの画像からイメージ画像をAIで作成)

 オーベルヴィリエに戻り、バカンスを楽しんできた女性にしては驚くほど痩せて、疲れた状態でクリニックで働いていたナタリーは、帰国後初めての金曜の夜、ジラール所長にコーヒーに誘われ、北の田園地帯に向かいます。大きな荘園館の入口に立って待っていたのはミハイル・アブラモフでした。

(イメージ画像をAIで作成)

 チームのみんながナタリーを抱擁して出迎え、ごちそうと音楽で無事の帰還を祝います。パーティがお開きになると、ガブリエルは、ナタリーに居間のウィングチェアを勧め、通常の報告のやり方ではなく、最後の部分から話をするよう求めます。

(イメージ画像をAIで作成)

 ナタリーは、モスクの近くの邸宅にいたのはサラディンで、瀕死の重傷を負っていたため、自分が手当をしたと話します。


45 スランクール、フランス

 居間のフレンチドアから光りが洩れるシャトーの庭の小道を歩きながら、サラディンはガブリエルとハンナ・ワインバーグの関係を知っており、ガブリエルが生きているとにらんでいると話すナタリーに、ガブリエルは、そうだとすると、サラディンがかつてイラクの諜報部員だとする推測が当たっていることになり、サウジアラビアとも繋がっているだろうと話します。

(イメージ画像をAIで作成)

 今後の計画を尋ねるナタリーに、ガブリエルは、サラディンからの呼び出しを忍耐強く待つと答えます。ナタリーが二、三分でいいから両親に会いたいと懇願すると、なんとかしようと言って屋敷の光がこぼれるフレンチドアの方を指さすのでした。


46 パリ __ ティベリア、イスラエル

 サラディンからの接触がないまま11月に入るころ、休みの日にパリに出かけたナタリーは、繁華街の角で彼女のヒジャブにケチをつけた国民戦線の女性党員とにらみ合いになり、駆け付けた憲兵に引き離されるということがありました。

(イメージ画像をAIで作成)

 それは彼女を監視しているであろうサラディンに見せるためのお芝居でした。

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 その後も動きがないまま、ガブリエルの〈オフィス〉長官就任の予定時期から数か月が過ぎ、痺れを切らしたアリ・シャムロンはジャーナリストに働きかけ〈オフィス〉の長官が近々交代するという記事を流させます。11月中旬の金曜の午後、エルサレムに戻ったガブリエルは、ティベリアのシャムロンの家へ安息日の夕食に家族みんなで呼ばれているとキアラから聞き、しぶしぶ湖を見下ろす崖の上に建つ蜂蜜色のヴィラを訪れます。第4旅でも安息日の夕食に招かれていました。

(イメージ画像をAIで作成)

 食事の後、シャムロンは、ガブリエルを外のテラスに連れ出し、トルコ煙草に火をつけて話し始めます。〈オフィス〉のトップの交代記事は混乱を招くのが目的だったと言い、自分は長官職と作戦指揮の両方をこなしてきた、自分同様、首相もこれ以上待ってはくれないとして、次の金曜までにサラディンのネットワークが接触してこなかったら、首相はガブリエルの長官就任を発表するだろうと話します。

(イメージ画像をAIで作成)

 そのとき、ガブリエルの電話が光ります。メッセージを読んだガブリエルは、サラディンから新たな猶予がもらえたと話すのでした。


47 アンマン、ヨルダン

 ナルキス通りの自宅に寄って衣服をスーツケースに詰めたガブリエルが向かったのは、アンマンのクイーン・アリア空港(AMM)でした。首都アンマンの南35kmに位置する国際空港で、1977年に飛行機事故で亡くなったアリア王妃に因んで名付けられました。

(Wikimedia CommonsをAIで夜景に加工)

 国王専用機の革のシートに座っていたのは、ネクタイをゆるめてくつろぐファリード・バラカトでした。離陸すると、ファリードは、ヨルダン川西岸地区の入植地を指さし、このままの建設ペースでいくと、アンマンはエルサレムの郊外にされてしまうと皮肉を口にします。

(こちらの画像からイメージ画像をAIで作成)

 ヨルダン政府で現在運用されている専用機は、ガルフストリームG650(G-VI)のようです。ふたりが着陸したのは、陰気な雨の朝、ワシントン・ダレス国際空港(IAD)でした。

(FlyTeam画像からイメージ画像をAIで作成)

 ふたりが乗り込んだSUV車は、ダレス・アクセス・ロードを東へ向かい、キャピタル首都環状高速道路に入り、ルート123を東へ進みました。車で約25分です。途中通過した巨大なインターチェンジに隣接する9・11後に誕生したリバティ・クロシング情報センターと呼ばれる国家保安機関とは、国家情報長官室(ODNI)と国家テロ対策センター(NCTC)の複合施設です。

(CRYTOME.WIKILEAKSから引用)

 ふたりの目的地は、ジョージ・ブッシュ情報センター、すなわちCIA本部でした。地下駐車場から7階へ上がります。

(Wikimedia Commons)

 ふたりが案内されたポトマック河畔の森が一望できる会議室には、エイドリアン・カーターが待っていました。ガブリエルは、ISISがアメリカ本土に大々的なテロ攻撃を予定していると告げ、工作員の女がフランス大統領が到着する火曜日にエールフランスAF54便で到着することを伝え、彼女をアメリカの監視下に置くよう提案します。

(イメージ画像をAIで作成)

 カーターは彼女以外にもチームがいる可能性を心配し、ジャラル・ナセルを逮捕して吐かせることを主張しますが、ファリードが反対します。結局、彼女がアメリカに到着したときからアメリカの工作員とし、作戦もアメリカの作戦とすることをガブリエルに了承させてガブリエルの提案を飲み、長官に連絡を入れます。


48 アーリントン、ヴァージニア州

 カーリン・スプリングス・ロードの〈セブン・イレブン〉の角を曲がったところに暮らすカッサム・エル=バナは、エジプトのナイルデルタ地帯で少年時代を送り、アメリカ東部の一流大学に合格し、苦労してこの国に残って働けることになったものの、妻のアミナから稼ぎが悪いと毎日文句を言われ、交通渋滞やカード負債に追われる退屈な日々に辟易していました。下巻290頁の記述に従い、イメージ画像をAIで作成してみました。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 その日、朝の礼拝を終えたカッサムは、日課のワークアウトで体を鍛えると、2階の仕事部屋に入り、パソコンをダークネットに繋げます。現れたメッセージにパスワードを打ち込み、暗号化されたテキストを読むと、アッラーがついに偉大になるための小道に導いてくれた、そして、不朽の名声が与えられると、胸を躍らせるのでした。

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 ホワイトハウスへの同行を断ったガブリエルは、ワシントン北西端(ノースクリーブランドパーク地区、インターナショナルドライブ3514番地)にあるイスラエル大使館に向かい、安全な回線からパリとロンドンのチームに連絡を入れ、ポール・ルソーにも電話します。

(Wikimedia Commons)

 それからNストリートの隠れ家に向かい、数時間の仮眠をとります。

(GoogleマップをAIで晴天に加工)

 カーターに起こされたガブリエルは、日の光が消えるころ、CIAの警護チームを従え、ウィスコンシン・アヴェニューのパティスリーでカフェ・クレームを飲みます。写真は〈パティスリー・プウポン〉です。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ジョージタウンのイースト・ヴィレッジを歩いてMストリートまで行きます。写真はウィスコンシン・アヴェニューとMストリートの交差点北東角にある、1921〜22年にファーマーズ・アンド・メカニクス銀行として建設され、現在はPNC銀行になっている、金色のドームが特徴的な歴史的建造物です。

(Wikimedia Commons)

 不意に土砂降りなったため、ガブリエルは、警護のSUV車に乗り込み、隠れ家まで戻ります。


49 アレキサンドリア、ヴァージニア州

 カッサム・エル=バナは、まだIT系のコンサルタント会社に勤めているとき、ISISの勧誘係のサイバードアをノックしてカリフ国行きを相談して、ワシントン郊外に留まるよう説得されていました。ジャラル・ナセルが接触してきたのは、セブン・コーナーズ近くの〈スターバックス〉でした。

(Googleマップ)

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 カッサムが名目上のオーナーとなりテロの拠点としたのは、アレキサンドリアのアイゼンハワー・アヴェニュー工業団地近くにある、トランスミッションの修理店と射撃練習場に挟まれた〈ドミニオン引越しサービス〉。アイゼンハワー・アヴェニューにある本社(下巻217頁)は実在せず、後記のカッサムが敷地前からセダンを走らせた経路から考え、5308番地に倉庫兼事務所を設定します。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ガブリエルがずぶ濡れになったころ、カッセルは、引越し会社の敷地前で携帯のストップウォッチを起動させ、韓国製のセダンを荷物を満載したトラックに見立てて、車で通常20分のところをゆっくりとしたペースで、アイゼンハワー・アヴェニューに戻り、アイゼンハワー・アヴェニュー・コネクターからキャピタル・ベルトウェイに入り、タイソンズでルート123に入り、レヴィンズヴィル・ロードへ左折し、タイソンズ・マクリーン・ドライブを進んで右へ曲がったところで止まりました。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 到着したのは、リバティ・クロシング情報センターの前です。テロ決行時に爆弾を積んだトラックを25分で走らせる予行演習をしたようです。


50 ジョージタウン

 フランス大統領の訪米先発隊が到着した月曜の夜、ポール・ルソーとディナーをとるため、〈フォーシーズンズ・ホテル・ワシントンD.C.〉に入ったガブリエルは、フロント前に立つ、黒のステッキを持つアラブ系の長身の男と一瞬視線が合います。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ふたりは互いに相手のことが気になったようで、アラブ系の男(サラディン)は、最上階のスイートルームで、取り出したノートパソコンでブラウザで検索し、ガブリエル・アロンの非業の死を報じるテレグラフ紙の記事にさきほどロビーを通り抜けた男の顔を確認して、アロンが生きていることを確信します。

(こちらの画像からイメージ画像をAIで作成)

 ルソーとのディナーを終えたガブリエルは、フロントの女性からステッキを突くその紳士がアル=ファルークと名乗っていることを聞き出し、エイドリアン・カーターに電話して、その人物が何者なのか突き止めるよう頼みます。


51 オーベルヴィリエ、フランス

 ナタリーがシャルル・ド・ゴール空港まで行くのに乗車したRER(パリ高速鉄道)のB線のオーベルヴィリエの最寄り駅は、ラ・クルヌーヴ・オーベルヴィリエ駅で、空港まで23分程度です。

(Googleマップ)

 ナタリーが搭乗したエールフランスAF54便は、現在は運行されていませんが、B777の機材でワシントンまで(作中には7時間半とありますが)約8時間40分のフライトでした。

(FlyTeam)

 ビジネスクラスにアップグレードされて窓際の席に座っていると、隣に黒々した髪に眼鏡をかけたビジネススーツの男性が座るのを見てがっかりしますが、実は変装したミハイルでした。


52 ヒューム、ヴァージニア州

 サラディンは、フォーシーズンズ・ホテルからMストリートとウィスコンシン・アヴェニューの交差点近くの駐車場まで歩き、そこに用意された車でヴァージニア州に向かってポトマック川を渡りました。1923年に完成した、現存する同川に架かる最古の道路橋のキー・ブリッジ(フランシス・スコット・キー橋)です。

(Wikimedia Commons)

 右折してジョージ・ワシントン・メモリアル・パークウェイに入って西に向かい、その後キャピタル・ベルトウェイに入って南に走り、ダレス・アクセス・ロードを渡り、タイソンズ・コーナー・センターのショッピング・モールを通り過ぎたとあることから、作中に記述されてはいませんが、サラディンは、まずテロの標的を横目で確認するため、リバティ・クロシング情報センター横を通過した(青のライン)ものと思われます。

 その後、ワシントンの工作員と最後の打合せをするため、インターステート66に入って、西へ方向を変え、18番出口(写真)を出てマーカムという町に入ります(車で45分程です)。作中では屋根付きポーチが伸び放題の芝生と向かい合っている家々の集まりに過ぎないとされていますが、19世紀中頃から後半の歴史的な建造物や遺跡があり、2005年に歴史地区が国家歴史登録財に登録されているようです。

(Wikimedia Commons)

 続いてリーズ・マナー・ロードを南へ向かい、ヒュームという町に着きます。こちらも歴史地区が2008年に国家歴史登録財に登録されています。作中にある二つの教会というのは、メソジスト教会とバプテスト教会です。ヒューム・ロードに入り、舗装されていない細道に出て、牧草地を横切ります。サラディンが車を止めたのは、鏡のようになめらかな黒い池がある、木造のコテージでした。

(Googleマップ)

 サラディンは、田舎風の居間のカウチに座り、紅茶を飲みながら、神経をぴりぴりさせたカッサム・エル=バナから準備状況の報告を受け、最後に、今夜この国を出てカリフ国に向かってもらいたいと話します。

(イメージ画像をAIで作成)

 サラディンは、計画の全容を知るカッサムを生かして帰すわけにはいかないと考え、カッサムを車まで見送り、あと一つ用事が残っていたと車の窓を開けさせると、サプレッサー付きのグロックを向けて4発撃ち込み、車のギアを操作して発進させ、車ごと黒い池に沈めるのでした。


53 リバティ・クロシング、ヴァージニア州

 Nストリートの隠れ家でガブリエルが乗り込んだ黒のサバーバンは、チェーン・ブリッジを渡ります。ワシントンD.C.とヴァージニア州マクリーンを結ぶ、1939年完成のトラス橋です。

(Wikimedia Commons)

 ルート123に入った車は、ジョージ・ブッシュ情報センターを通り過ぎ、マクリーンのショッピング・センターとダウンタウンの商業地区を過ぎ、レヴィンズヴィル・ロードに右折し、タイソンズ・マクリーン・ドライブに入り、検問所前でセキュリティ・チェックを受けます(橋から約12分です)。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 入館証を渡されたガブリエルが案内されたのは、NCTC(国家テロ対策センター)のオペレーション・フロアでした。既に腎臓形をしたデスクを囲んで、エイドリアン・カーター、ファリード・バラカト、ポール・ルソーが座っていて、ガブリエルが席に着くと、カーターは、1枚の写真をよこし、ガブリエルがフォーシーズンズホテルで見かけた男はオマール・アル=ファルークというサウジの王室に連なる男だと説明します。

(イメージ画像をAIで作成)

 その男を監視下に置くことにカーターが同意しないので、ガブリエルは、カーターがホワイトハウスからの電話に出るため席を外すと、ファリードに写真を渡し、男の正体を突き止めるように頼むと同時に、キング・サウル通りにメッセージに送り、男の監視を命じます。


54 ワシントン・ダレス国際空港

 ドクター・ライラ・ハダウィとして入国審査を受けたナタリーは、長い質問責めにあった後、1時間かかって通過し、手荷物受取所へ行くと空っぽになったターンテーブルに彼女のキャリーケースだけが回っていました。

(Wikimedia Commonsからイメージ画像をAIで作成)

 作中にあるように、ダレス国際空港の〈ハーツ〉の営業所は、空港ターミナルに直結しておらず、レンタル・カー・シャトル乗り場から無料のシャトルバスでアクセスします。ナタリーは、手配された真っ赤なシボレー・インパラに乗車します。インパラには、FBIによって発信機と盗聴器が秘かに取り付けられていました。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ISISが手配したナタリーの宿泊先は、ヴァージニア州アーリントン郡のロズリン地区にある〈キー・ブリッジ・マリオット・ホテル〉でした。1959年にオープンしたマリオットチェーンの第2号ホテルでしたが、2020年に閉業し、2025年に解体されてしまったようです。

(Googleマップ)

 ナタリーがエレベーターに乗り込むと、フランス訛りの魅力的な金髪の女が入ってきて、同じ8階で降り、ナタリーに付いて部屋の前で立ち止まります。後ろに立っていたのは、サフィア・ブリアーヌでした。部屋に入ると、サフィアは、ナタリーの携帯を受け取り電源を切ります。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 隠しマイクやホテルのセキュリティ・システムへの侵入により監視していたテロ対策センターにおいても、ナタリーに接触してきた金髪の女を注視し、エレベーターの監視カメラの映像を確認したガブリエルとルソーは、サフィアであることに気づきます。


55 アーリントン、ヴァージニア州

 その日の夜7時、アンドルーズ空軍基地に到着したフランス大統領夫妻が大規模な車列で向かったのは、ペンシルバニア大通りを挟んでホワイトハウスと向かいあったブレアハウスでした。ブレアハウスは、1824年に建設された連邦様式の邸宅で、1836年にフランシス・ブレアが買い取って拡張したものを1942年に合衆国政府が買収し、合衆国大統領の賓客のための宿泊施設とされたものです。

(Wikimedia Commons)

 因みに、2015年当時のフランス大統領はオランド大統領でしたが、夫人が元ファッションモデルであったのは、前任のサルコジ大統領です。

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 夜8時、ナタリーとサフィアが夕食にでかけたのは、アーリントンのクラレンドン地区にあるバー&グリルのチェーン店でした。ウィルソン大通り付近で料理のボリュームと入店待ちの行列の長さで有名とのことから、〈The Liberty Tavern〉などが考えられます。バーの方の高くて小さなテーブルにつくと、ナタリーは、サフィアからパスポートの名前がアスマ・ドゥマスであることやワシントンには列車でやってきたこと、作戦が自爆テロであることなどを聞き出します。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ナタリーは、バックを左の肩にかけて席を離れ(ミハイルから教わった、携帯が使えない場合に連絡をするときのサインです)トイレに向かいます。トイレにFBIのミーガンと名乗る女性が現れ、サフィアや作戦について質問します。


56 キー・ブリッジ・マリオット・ホテル、アーリントン

 翌朝、ふたりは1階に下りて、ホテルの朝食をとりますが、食欲がなく、ナタリーはパック入りのギリシャヨーグルトを無理して食べます。テレビでは、ホワイトハウスの執務室で会談する米、仏大統領が映っています。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 おしゃれな服を買うと言って、サフィアがナタリーにインパラを運転させて向かったのは、タイソンズ・コーナー・センターのショッピング・モールでした。立体駐車場にインパラを停めると、サフィアの指示でドアをロックせずに車を離れます。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 アメリカで全国展開されている高級百貨店〈ブルーミングデールズ〉のある階で、ビジネスディナー用のジャケットを探して店を転々としますが、サフィアはいずれも体にきつすぎるとして気に入りません。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 店員に勧められた〈メイシーズ〉に行ったサファリは、五つボタンで丈が長めのタハリのジャケットを、赤色とグレイの2着購入します。大きめのサイズにしたのは、自爆用ベストの上に着るからでしょう。赤い方はナタリー用だと言います。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

〈スターバックス〉でラテを注文して腰を下ろしたという外の休憩所というのはここです。携帯にメッセージを受信したサフィアは、ホテルに戻るよう指示します。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

57 ホワイトハウス

 2015年には、実際、パリで起きた同時テロ事件を受けて、オバマ米大統領とオランド仏大統領が11月24日に、ホワイトハウスで会談し、シリアとISISに対する軍事作戦の強化を約束しています。作中にある米大統領が不機嫌な表情を浮かべているというのは、この写真のような場面でしょうか。

(ロイター通信から引用)

 タイソンズ・コーナー・センターに設置されている防犯カメラの解析の結果、年齢・国籍不明の帽子にコート姿の男がロックされていないインパラの車内に入ってトランクを開け、袋を2つ入れたことがわかり、男の足取りから、男が乗り込んだレンタカーを借りたのがアスマ・ドゥマスというフランス女性だと判明します。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 監視体勢が継続される中、午後4時17分、携帯に入ったメッセージを見たサフィアは「神を称えよ」と呟き、テレビを消します。隠しカメラがその後映し出したのは、ナタリーが自爆用のビデオを撮影している場面でした。


58 アレキサンドリア、ヴァージニア州

 アレキサンドリアのアイゼンハワー・アヴェニューにある〈ドミニオン引越しサービス〉本社に、攻撃チームのメンバーが顔をそろえていました。コンテナトラックには、第7旅に登場したエイモン・クインが設計した千ポンドのアンホ爆弾がセットされ、ホンダ・パイロットには大量のAR15アサルトライフルと45口径グロック拳銃、バックパックに詰めた爆弾、自爆用ベストが積んでありました。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 夜7時、全員が最後の礼拝を行い、順次攻撃チームのメンバーが出発し、チュニジア人とヨルダン人のふたりが2台のコンテナトラックに乗り込み、カッサムが予行演習をした経路を進みました。

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 〈フォーシーズンズ・ホテル〉に宿泊しているサウジ国籍のオマール・アル=ファルークをマークするため、エリ・ラヴォンとミハイル・アブラモフが車を停めていたのは、ホテルの通りを挟んだ真向いのドラッグストア〈CVS〉の前でした。

(Googleマップ)

 夜、ホテルをチェックアウトしたサラディンは、ラヴォンとミハイルの前を、黒のBMWに乗ってMストリートを西へ走り去ります。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 右折してウィスコンシン・アヴェニューに入り、すぐまた左折してプロスペクト通りに入ったサラディンは、北側の駐車場に車を預けて、1992年にオープンしたジョージタウンの人気のレストラン〈カフェ・ミラノ〉に入ります。

(Googleマップ)

 玄関ホールに置かれた説教壇みたいなカウンターというのはこちらで、サラディンは、アル=ファルークと名乗り、予約していた2人用の席への案内を頼みます。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 プロスペクト通りに駐車スペースがなかったので、ミハイルが店内に入り、ウォッカ・マティーニの飲むサラディンから数歩のところに座り、グラスワインを注文して監視します。サラディンのテーブルにはもう一人の席が用意されています。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 ミハイルから報告のメッセージを受け取ったガブリエルは、秘かにアル=ファルークを監視していることをカーターに白状しますが、カーターは、時間の無駄だと言って、ビデオ・スクリーンの方を頭で示します。スクリーンには、L・L・ビーンの袋から黒い自爆用ベストを取り出して体に当てるサフィアが映し出されていました。ガブリエルは、ゲームオーバーと言って、ナタリーを救い出してくれと頼みます。


59 キー・ブリッジ・マリオット・ホテル、アーリントン

 ファスナーの内側に小さな赤いステッチがついている方の自爆用ベストを着るように、サフィアに言われ、ナタリーは、バスルームで装着し、タハリの赤いジャケットに袖を通し、監視しているガブリエルたちのことを考えます。ターゲットや攻撃チームの他のメンバーについて、これまでのところ収穫はほぼゼロです。

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 サフィアは、自爆用ベストの上にグレイのジャケットを着けてベッドの端に腰掛けテレビをぼんやり見ています。ナタリーはターゲットを聞き出そうとしますが、サフィアは答えません。ナタリーは、このまま作戦を実行させてはいけないと考えますが・・・

(Googleマップからイメージ画像をAIで作成)

 サフィアは、自分が殺したワインバーグというユダヤ人の女と天国で顔を合わせることが怖いと話し、死ぬのを覚悟したように見えます。そして、時間だと言ってナタリーを連れ出します。


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 今回の投稿での旅はここまでです。次回、第3部の続き、第60節からいながら旅を続けます。ターゲットを知らされないまま自爆用ベストを着用することになったナタリー、テロの実行を止めることはできるのでしょうか。

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